痛風の対策-尿酸値が高いと言われたら

2016年12月1日

尿酸値とは

体の細胞の全てには、DNAやRNAの一部であるプリン体が含まれています。体の中のプリン体のうち、80%は、体内で造られたもので、20%は、食べ物から取り込んだものです。体の新陳代謝の過程で、古いプリン体は、肝臓で分解されて尿酸になります。尿酸は、人体内で分解できないので、主として尿で、いくらかは大便によって、体外に排出されます。汗では、ほとんど排出されません。

血液中の尿酸の量を尿酸値と言います。正常値は、成人男性が4mg/dl~6.5mg/dlで、成人女性が3mg/dl~5mg/dlです。7mg/dl以上ですと、高尿酸血症と診断されます。

通常ですと、体内で造り出される尿酸の量と、体外に排出される尿酸の量はほぼ等しいので、尿酸値は一定ですが、そのバランスが崩れた状態が、高尿酸血症というわけです。

 

高尿酸と痛風

高尿酸血症のまま放置すると、余分な尿酸がナトリウムと結びついて徐々に結晶化し、関節の壁にこびりついて固まってしまいます。この結晶は、暴飲暴食・激しい運動・怪我・ストレス等を切っ掛けにして、関節液の中に剥がれ落ちることがあります。そうなると、これを異物とみなして、白血球が攻撃を始めて、さまざまな化学物質を放出します。それによって、毛細血管が拡張して、血液の流れが増えて、皮膚が赤くなったり腫れたりし、激しい痛みが引き起こされます。

これが、痛風の発作です。

つまり、高尿酸血症は、痛風予備軍と言えます。

痛風の発作を起こす人の98%が男性です。女性ホルモンに、尿を通じて尿酸を排出するのを促進する作用があるからです。そのため、女性ホルモンの分泌が減る閉経後の女性は、痛風になるリスクが高まります。

 

痛風の症状

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通常、初めての痛風の発作は、足の親指の付け根の関節に激痛が走ることで始まります。その痛みは、「風が吹いただけで痛い」と言われるほど強いものです。かかと・くるぶし・足の甲・アキレス腱・ヒザなどに起きることもあります。

痛み出して2~3時間すると、患部が赤く腫れあがり、熱を持ち、痛みも丸一日ほど続きますが、徐々に治まって、10日ほどで治ります。

尿酸値が高いまま放置すると、半年から1年して、また発作が起きます。再発の時は、痛みがより激しいと言われます。

その後、段々と、発作の間隔が短くなり、足首や膝の関節まで腫れるようになります。

そして、数年から10年ほど放置すると、尿酸が皮膚の下に溜まって、結晶化して、コブのようになります。これを、「痛風結石」といいます。手足の関節や、耳たぶ・ヒジ・ヒザ・アキレス腱などの体温が比較的低いところにできやすいのです。

結石自体は痛みませんが、進行してくると、関節が変形したり、脱臼したりします。また、結石が大きくなると、皮膚が裂けて、なかから尿酸の結晶がでてくることもあります。

 

痛風の前兆

初めての痛風発作は、何の前触れもなく突然起こりますが、二度目からは、発作の前兆があることがあります。

人によって違いますが、足の親指がムズムズする、ズキズキする、しびれる、ほてる、こわばるといった違和感を感じることが多いようです。

そうなると、数時間から一日くらいで発作が起きる可能性が高いのです。

あらかじめ、病院から「コルヒチン」という薬をもらっておいて、前兆を感じたらすぐ飲めば、防ぐことが可能です。

 

痛風の発作の応急処置

痛風の発作が起きたら、患部を氷や保冷剤で冷やして、患部が心臓より高くなるよう何かで支え、安静にしています。

患部にはなるべく触らないようにしましょう。マッサージなどは問題外です。

非アスピリン系の鎮痛剤を飲んでも構いません。バファリンなどはアスピリンを含んでいて逆効果なので、ロキソニンやイブAなどが良いですね。

水分は充分補給した方が良いですが、痛みを紛らわすために酒を飲んだりすると、症状は悪化するばかりです。

痛みが少し落ち着いたら、すぐに病院に行きましょう。

 

高尿酸の影響

以前は、高尿酸血症であっても、発作が起きなければ問題ないと言われたときもありましたが、今では、腎臓障害・尿路結石・高血圧・心血管障害・メタボリックシンドローム等と関連が深いことが判明してきて、治療が必要であると言われています。

 

食物とプリン体

尿酸の元になるプリン体ですが、体内のプリン体のうち、食物から来る物は、20%程度ですし、そもそも動植物の細胞に含まれているものなので、ほとんどの食べ物にはプリン体が含まれています。

やみくもに恐れて、プリン体を摂取しないようにすると、かえって栄養バランスが崩れてしまいます。

あとで解説するような点に注意しながら、食生活を工夫しましょう。

 

痛風の検査

病院で行われる痛風の検査は、次の3種類があります

 

痛風か他の病気かの検査

足の親指の関節が腫れたり、激痛があっても、痛風の発作とは限りません。他の病気の症状である可能性もあります。

そのため、尿酸値の検査・血沈検査・C反応性タンパク検査等を行います。

レントゲン検査で、発作が起きているところの骨や関節の様子を見ることもあります。

 

高尿酸の原因を調べる検査

先に書いたように、高尿酸になる原因は、体内で作られる尿酸の量と、体外に排出される量のバランスが崩れたことです。

そのため、体内で作られる尿酸が多すぎる「生産過剰型」なのか、うまく体内に排出されない「排泄低下型」なのか、その両方ともに問題がある「混合型」なのか、はっきりさせる検査をします。

 

合併症の検査

高尿酸の場合、高コレステロール・動脈硬化・糖尿病・腎臓病・尿路結石などになっている可能性があるので、それらの病気の検査をします。

 

痛風の予防

 

肥満を避ける

内臓脂肪が多いと、中性脂肪や尿酸が多くなります。

肥満していて尿酸値の高い人は、体重を標準体重に近づける必要があります。

 

水分を取る

高尿酸血症の8割から9割を占める「排泄低下型」の場合、水分を一日2ℓ以上取って、尿とともに尿酸を排出するのが効果的です。

ただし、糖分を多く含む炭酸飲料等は、肥満の元になりますので避けてください。

 

食事の注意

上にも書いたように、食事からプリン体を取らないようにするのは不可能ですし、極端な食餌制限等は、栄養のバランスを崩すので、あまり神経質になることはないのですが、少なくとも、プリン体の特に多い食物はなるべく避けたほうが良いでしょう。

プリン体が多いのは、煮干し・魚の干物・かつお節・エビ・干し椎茸・レバー等です。

よく、ビールはプリン体が多いと言われますが、特に多いと言うほどではありません。それよりも、アルコールそのものが、高尿酸血症には悪いのです。アルコールを分解するために、肝臓でせっせと尿酸が造られます。また、アルコールの分解過程で造られる乳酸が、尿酸が尿とともに排出されるのを妨げます。さらに、アルコールの利尿作用で、体内の水分が排出されるので、血液中の尿酸値はますます上昇します。

ビールと言うより、アルコール飲料全般が、高尿酸血症には良くないと言うことですね。

 

尿酸は、アルカリ性の水分に良く溶けるので、野菜・海藻類を多く食べて、尿をアルカリ性に傾けると、血液中の尿酸値は低く抑えられます。

また、乳製品を多く取ると、痛風になりにくいという報告があります。

 

有酸素運動をする

適度な有酸素運動は、高尿酸の改善に効果があります。内臓脂肪の減少によって、尿酸の生成が減少するからです。

一方、激しい運動をすると、新陳代謝が活発になって、体内でプリン体が多く造られます。また、汗をかいて水分が減少するので、尿酸が尿とともに体外に排出されにくくなります。そのため、良く体を動かした翌朝に痛風の発作が起きる事例も多いのです。

軽いジョギングや早めのウオーキング程度を毎日続けましょう。

 

ストレスを避ける

ストレスを感じると、尿酸値が上昇します。

詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、ストレスを感じると、アドレナリンが分泌されて、血管が収縮し、腎臓の血液も減ります。すると、尿の造られる量が減って、尿酸が排出されにくくなるからと推測されています。

悩みやトラブルといったストレスばかりではなく、わくわくしたり、精神的に高揚したりしても、痛風の発作が起きることがあります。

平常心を失わないようにしましょう。

 

サプリメントをとる

次に紹介するサプリメントは、痛風対策に役立つアンセリン・キャッツクロー・ケルセチン等を豊富に含んでいます。

痛風の発作に怯えているのなら、是非試してみてください。お試しパックもあります。

痛風と間違えやすい病気

痛風に似た症状を現す病気がありますので、素人判断をしないで病院で診てもらいましょう。

 

外反母趾

足の親指が変形して痛み、悪化すると痛風のように赤く腫れて激しい痛みに襲われます。

 

変形性関節症

ヒザの関節が変形してしまうと、腫れて痛風のようになることがあります。

 

偽痛風(仮性痛風)

ヒザ・ヒジ・手首・足首などの関節に、ピロリン酸カルシウムの結晶ができて、それが剥がれ落ちて発作を起こす病気です。関節が腫れて痛みます。

 

痛風の治療

痛風になったら病院で治療を受けます。

近くに痛風を専門に診てくれる病院があればそこに行きましょう

痛風の専門的診療が可能な病院

無い場合は、内科・整形外科などを受診しましょう。

 

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