認知症?単なる物忘れ?予備軍?気になる人に

2016年12月30日

認知症と物忘れの違い

誰でも、60歳を過ぎる頃から、記憶力が衰えてきますが、通常の記憶力の衰えによる物忘れと、認知症の違いはどこにあるのでしょう。

単なる物忘れの場合、自分が何かをしたことは覚えていますが、その内容が思い出せないのです。そのため、自分が物忘れをしたという自覚があります。

ところが、認知症の場合、自分が何かをしたこと自体を忘れてしまうのです。

たとえば、物忘れの場合、自分が人と会う約束をしたということは覚えていますが、それが、何月何日の何時で、誰と会うことになっているというような具体的なことを忘れてしまうのです。他人に、忘れていることを指摘されると、確かに約束をしたのに、忘れてしまったと、済まなく思ったりします。

ところが、認知症の場合、約束をしたこと自体をまるまる忘れていて、他人に指摘されても、約束をした覚えはないと言い張って、怒り出したりします。

 

認知症以外で記憶力が低下する病気

加齢による物忘れでは説明がつかない記憶力の低下を招く病気には、認知症以外にも、甲状腺機能低下症・うつ病・正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫・注意欠陥多動性障害等があります。

睡眠薬や抗生物質の副作用によることもあります。

正しい判断は医師に任せましょう。

 

MCI(軽度認知障害)とは

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MCI(Mild Cognitive Impairment)とは、健常者と認知症患者の境界上の症状で、認知症の予備軍と言えるでしょう。

トイレ・入浴・着替え・食事等の、基本的ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)と呼ばれる、必要最低限のことはできますが、家事・買い物・金銭や物品の管理・交通機関を使った移動などの、手段的ADLと呼ばれるやや複雑な作業には、多少支障が出ます。

MCIの人は、やがて、高い確率で認知症になってしまうと言われます。

ある調査では、MCIになった人の約50%が5年以内に認知症になり、6年後には、80%の人が認知症に進行したそうです。

ただし、MCIの段階では、適切な治療をすれば、認知症になるのを予防できたり、場合によっては回復したりする可能性があります。

MCIの症状

MCIは、医学的には、特定の病気のことではなく、認知能力に問題のある状態を表す概念なので、医者によって多少の違いはありますが、主として次のような症状が出ると言われます。

・歩くのが遅く、歩幅が小さく、安定性に欠けるので、青信号の間に横断歩道を渡りきれないことがある。(もちろん、他の病気等がある場合は別です)

・知っているはずの物の名前が出てこないで「あれ」「あの」などと言うようになる

・最近の出来事を覚えていないことがある

・皆で話しているときに話についてこられなくなったり、テレビ番組の内容が良く理解できなくなったりする

・何かと理由をつけて外出するのを嫌がるようになる

・身なりに気を遣わなくなる

・約束したことを忘れることがある

・やることの段取りが悪くなって時間がかかる

・小銭の計算が面倒なので、支払いに紙幣を使う

・同じことを何度も言うようになる

・些細なことで怒るようになる

 

自分がMCIかも知れないと思ったら、簡単なチェック法もあります。

認知機能チェック

もう少し高精度の判定を受けたい場合は、こんなテストを受けてみましょう。

 

MCIの種類

健忘型MCI

主として記憶に障害が出ます。進行するとアルツハイマー型認知症になります。

非健忘型MCI

判断力が低下したり、計画的に物事を進めるのが難しくなったりします。

進行すると、前頭側頭型認知症やレビー小体型認知症になります。

 

MCIの改善法

認知症予備軍のMCIのうちなら、改善する可能性があります。

 

早歩き

やや息が上がる程度のウオーキングを、1回に1時間で週3回行うと、MCIの改善に効果があることが、イリノイ大の研究で分かってきました。

それが難しいようでしたら、毎日10分のウオーキングでもそれなりの効果はありますので、続けるようにしましょう。

次のような、デュアルタスクと呼ばれる、脳を使いながらのウオーキングは、さらに効果があります。

 

食事について

ビタミンC・ビタミンE・βカロチンを含む野菜・果物が良いと言われます。

魚に含まれるDHA・EPAも積極的に取りましょう。

ポリフェノールを豊富に含む赤ワインも良いですね。

アルコールが苦手の人は、野菜や果物のジュース、緑茶、紅茶、ココア等でポリフェノールを取りましょう。

イチョウ葉エキスも評判ですが、食事で取るのはむずかしいので、次のようなサプリを活用しましょう。

 

睡眠時間の確保・昼寝

高齢者を対象にした調査研究の結果、睡眠時間が7時間程度の人が、認知症やMCIになるリスクが一番低かったと報告されました。それ以上長くても短くてもリスクは上昇したそうです。

また、30分以内の昼寝をすると、認知症になりにくいという報告もあります。1時間以上の昼寝をすると、かえってリスクが高まるそうですから注意しましょう。

 

高血圧の治療

高血圧症の場合、認知症になるリスクが、そうでない人に比べて、5倍から10倍もあることが分かってきました。血圧の高い人は、しっかり治療しましょう。

 

糖尿病の治療

糖尿病も、認知症になるリスクを高めます。血糖値が高い人は、治療しましょう。

参考記事:血糖値が高いと言われたら

 

脳トレ

脳のトレーニングをやるのも有効と言われます。

60歳からの脳トレ もの忘れ、認知症にならない思い出しテスト

ゲームや指の運動も脳に刺激をあたえます。

 

 

 

サプリメント

認知症対策用のサプリメントもありますので、試してみましょう。

アロマオイルで対策するのもオススメです。

日光を浴びる

一日15分の日光浴を続けることにより、記憶能力が回復したとの報告があります。日光を浴びると生成されるビタミンDの作用と推測されています。

 

うつ病性仮性認知症とは

最近注目されているのが、うつ病のせいで、認知症のような症状を示す、「うつ病性仮性認知症」です。

これは、うつ病により、前頭葉の血流が悪化して起きる症状で、認知症とは別の病気ですが、放置していると認知症に進行する危険が高いけれども、早めに適切な治療をすれば改善する可能性が大きく、MCI同様、認知症予備軍といえる病気です。

この病気になると、注意力が散漫になって、うっかりミスが増えたり、物忘れが多くなったりします。

また、自分の記憶力の低下をひどく悲観して、自分を責める傾向があります。

その他、便秘・食欲不振・不眠・頭痛などの症状が現れて、自分ががんなどの重大な病気かも知れないと疑い、そのストレスでさらに病状が悪化するという悪循環に陥ることもあります。

治療法は、うつ病の治療に準じて行います。

 

物忘れ外来

本格的な治療は病院で行いますが、MCI等を専門に扱っているのが、「物忘れ外来」です。

全国物忘れ外来一覧

 

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